2008年06月11日 森づくり
カシノナガキクイムシ被害木処理作業の見学会を開催しました。
京都伝統文化の森推進協議会(以下,協議会)では,平成20年6月11日(火)に,高台寺山国有林において,京都市,林野庁京都大阪森林管理事務所の協力を得て,東山区「弥栄学区」の有志による「カシノナガキクイムシ被害木処理作業見学会」を開催しました。
京都市周辺の森林では平成17年度から「カシノナガキクイムシ(以下,カシナガという。)」という虫による樹木の枯死被害が発生しています。
カシナガは,大木に穿入し,樹木を枯らし,その中で何十倍にも大繁殖を行い,次の年には周辺の大木に被害をもたらします(特にナラ,シイ,カシなどの樹種で繁殖を行います)。 京都市や京都大阪森林管理事務所では,東山の貴重な財産である森林景観を守るために,平成17年度から「カシナガ被害木処理」を行っています。
今回の見学会には,弥栄学区有志,行政関連職員の計17名が参加しました。
見学会では,実際の森林施業に接する機会の少ない参加者の皆様に,胸高直径44cmの大木を伐倒する作業を目の当たりで見学して頂いたあと,東山のカシナガ被害の状況や,その駆除方法,処理した材のその後などの説明を受けました。
今回の取り組みは,今後,地域関係者の皆様がどのような活動に取り組むかを検討する材料として,また,現在,東山の森林でどのようなことが起こっているのかを認識する体験として,最前線の情報を提供する貴重な機会になったと思います。
この見学会の実施後,地域関係者の皆様で独自にアンケートを実施され,
・市民にとっても,自然にとっても最も良好な山の状態とは何なのかを知ることが
大切である。
・伐倒した材を活用する方法を検討する必要がある。
・人間は山と共に生きる事が大事である。
・市民が山に入って,どのような活動ができるのかを教えて欲しい。
・山や森林のことについて,専門家の話がもっと聞きたい。
等の意見が出されました。
協議会では,今後も地域関係者の皆様や京都市,京都大阪森林管理事務所等と連携を図りながら,東山風景林における活動を行っていくこととしております。
円山公園に集合し,カシナガ被害対策の概要を
説明しました。
伐倒,玉切作業を見学しました。大木が倒れる時には,
どよめきが起こりました。
くん蒸作業について,説明を受けました。
見学会終了後,記念写真を撮りました。
地域の方にとっては,東山はこんな靴(?)でも登れる,とても身近な山なのですねぇ。