清水寺から高台寺(10月)

□ 「使って守ろう京都三山の森〜ナラ枯れ木搬出薪割り大作戦!〜」
  を実施しました。

京都伝統文化の森推進協議会(以下,協議会)では,平成22年12月14日(火),15日(水),16日(木),18日(土)の4日間,東山山頂公園周辺において,「使って守ろう京都三山の森 〜ナラ枯れ木搬出薪割り大作戦!〜(以下,薪割り)」を実施しました。この薪割りは,京都市,林野庁京都大阪森林管理事務所との共催,朝日新聞社京都総局の後援により行いました。

今回の薪割りは,近年,京都三山の「ナラ枯れ」の拡大が問題となっていることから,「市民力」を生かしてナラ枯れ問題に立ち向かおうという初めての試みで,18日のみ,一般の方も募集しました。14日は13名,15日は22名,16日は21名,一般募集をした18日には97名が集まり,4日間で延べ153人の方々に御参加いただきました。そのおかげで,事前に伐採・玉切りしてあったナラ枯れ被害木,約20本全てを搬出し,当初予定薪数700束を大きく上回る約1,200束の薪を作ることができました。


バケツリレー方式での搬出


薪に残るカシノナガキクイムシの幼虫

特に大変な作業は,木を林内から薪割り場まで搬出する作業でした。荒割りされた直径約40cm,長さ45cmの生木は,重さが10kgを超えるからです。それをみんなで連携し,バケツリレー方式で搬出しました。15日,18日の日平均気温は6.3度,16日の日平均気温3.4度と,平年よりも寒い冬空の下でしたが,皆さん,汗だくになって作業をしていました。

18日のお昼は,参加者みんなで御弁当と豚汁を食べ,午前中の疲れを癒しました。東山山頂公園は寒かったので,暖かい豚汁が大好評でした。

今回,作った薪は,亀岡の登り窯へ500束,ハイアットリージェンシー京都へ100束,祇園のいづ重へ350束,花脊森林文化財団へ残り約250束を搬出しました。一般の方から,薪を譲って欲しいという声が多数ありましたが,ナラ枯れの原因となっているカシノナガキクイムシの幼虫が薪にたくさん残っている生木を薪にしたため,乾燥を含め,今年5月末までに使い切っていただける搬出先に限定させていただきました。今後の課題として,薪割りで作った薪を,広く一般の方にも活用していただける方法を検討して行きたいと考えています。

また,18日に実施した一般参加者アンケートでは,ナラ枯れに対する皆さんの関心の高さがうかがえました。
( アンケート結果の詳細はこちら ⇒ アンケート調査結果PDF

協議会では,今後もこのような活動を通じ,「人と森との付き合い方を見直すきっかけづくり」や「地域の木を利用することの大切さ」等を京都から全国へ向けて発信して行ければと考えております。また,これからも皆様の積極的な御参加をお待ちしております。


薪割り機による薪割り作業


斧による薪割り作業


18日に御参加いただいた皆様