京都伝統文化の森プロジェクト

お知らせ

2025年10月14日 セミナー

第45回公開セミナー「災害を斬る(さぐる)!科学と妖怪」を開催しました

パネルディスカッションの様子

令和7年9月28日(日)に、京都経済センターにおいて、

第45回公開セミナー「災害を斬る(さぐる)!科学と妖怪」を開催しました。

 

 

はじめに、京都ジャーナリズム歴史文化研究所の代表であり、歴史作家の 丘 眞奈美氏より、

「日本人の災害観~神仏・妖怪からよみとく災害文化の歴史~」というテーマで、妖怪文化の観点から災害と人との関わりについて、ご講演いただきました。

 

丘氏の講演「日本人の災害観~神仏・妖怪からよみとく災害文化の歴史~」

 

かつて、人々は災害という「見えない恐怖」を妖怪に見立てて災害を理解し、多くの災害に見舞われた江戸では地震を龍やナマズに見立てて祀るなど、復興と防災の文化を築いてきたこと等についてお話いただきました。

 

 

 

次に、立命館大学 理工学部長であり、前防災フロンティア研究センター長である里深 好文氏より、

「災害と人との関りを考える~風水害を中心として~」というテーマで、治水の観点から川と人との関係の変遷について、

ご講演いただきました。

 

里深氏の講演「災害と人との関りを考える~風水害と中心として~」

 

山梨県の信玄堤に代表される「溢れさせて受け止める」思想や、関東流・紀州流の工法など、時代ごとに自然との折り合い方が変化し、現代においては治水・利水・環境を統合的にとらえる流域管理の重要性の高まり等についてお話いただきました。

 

 

 

続いて、立命館大学 准教授であり、防災フロンティア研究センター副センター長の藤本 将光氏より、

「京都東山の成り立ちと土砂災害論」というテーマで地質学の観点から東山地域の地形と災害について、ご講演いただきました。

 

藤本氏の講演「京都東山の成り立ちと土砂災害論」

 

東山は断層と花崗岩による特異な地形で、古くから土砂災害が繰り返されてきた地域であり、

音羽川や清水山での崩壊事例をもとに、地下水量の測定による危険地検出など、最新の研究等についてお話いただきました。 

 

 

 

講演の後、丘氏をコーディネーターとして、里深氏、藤本氏とともにパネルディスカッションを行いました。

 

パネルディスカッションの様子

 

 

最後に、参加者から質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。

ご参加いただいた29名のみなさま、ありがとうございました。

協議会では、今後もいろいろな取組を行ってまいります。