両生綱
ニホンヒキガエル
別名「ガマガエル」。ガマガエルといえば自来也をはじめ忍者が乗っているイメージですが,実際はあまり飛び跳ねずのそのそ歩く,活劇に似合わない鈍重なカエルです。身を守るために耳腺から出す毒は「蟾酥(せんそ)」と呼ばれ,抗炎症作用などの薬効もありますが,傷薬として有名な「ガマの油」には入っていません。北大路魯山人曰くヒキガエルの肉は鶏のむね肉より美味とのことですが,蟾酥は苦いようです。
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ニホンアマガエル
日本のカエルの代表種。雨の前後には一斉に鳴く声を聞くことができ,夜になると明かりに集まる虫を食べるため街中にも現れるなど,最も身近なカエルと言えます。カエルと聞くと本種をイメージする方も多いのではないでしょうか。通常は緑色ですが,周囲の環境に合わせて色を変えることができるため,時にカエルとは思えない色になっています。体表の粘液は強い毒性を持っているので,触った場合は必ず手を洗いましょう。
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アカハライモリ
赤いおなかがチャーミングな日本固有種のイモリ。よたよたと歩く様子も可愛らしいですが,フグ毒として知られる猛毒「テトロドトキシン」を有するので,食べてはいけません。「イモリの黒焼き」が惚れ薬として知られていますが,これは服用するのではなく,相手に振りかけるものです。尾や脚が切れても元通りになり,心臓や脳の一部を切り取られても再生する驚異的な能力を持っており,再生医療へ応用が期待されています。
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タゴガエル
山に棲むカエルです。水辺の岩の隙間などに身を隠しながら「グゥ,グゥ」「ゴッゴッ」と低い声で鳴きます。人気(ひとけ)のない山中で,どこからともなくこのカエルの鳴き声が聞こえてくると,ちょっと不気味です。伏流水に産卵するという珍しい習性を持ち,孵化したオタマジャクシは餌を食べず,体内に蓄えた卵黄の栄養だけで成長します。同じく山に棲むヤマアカガエルに似ていますが,口周りの模様や水かきなどで見分けられます。
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モリアオガエル
名前のとおり森に棲むカエルです。普通,茶色の斑模様が入った緑色をしていますが,鮮やかな緑一色の個体もいます。6月頃,池などの水面に張り出した木の枝に白い泡の塊をつくり,この中に卵を産みます。孵化したオタマジャクシは水面に落ちますが,落ちた途端に待ち構えていたイモリに食べられてしまうこともしばしば……。森林の減少のため,地域によっては絶滅危惧種に指定されています。
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