森づくり施業
健全な森をつくる活動

植栽の準備
林相を改善する必要がある場合には,目的とする機能を高めるために,除伐,択伐,枝下ろし等をして,補植する苗木の生長に必要な光環境の改善,空間の開放を行います。 また,様々な苗木の中からその場所に適した苗木を選びます。 植栽は主に根が動きにくい季節(京都のような温暖帯域では2月から3月)に行われます。それまで用意された苗木は,植栽するまで冷暗所で立てて保管し,根を乾かさない配慮が必要です。
植栽
基本的にランダム集中配植という配植の仕方をします。これは森の中に多様性が生まれるよう,苗木と苗木の間を密にしたり広くとったりするなど,粗密をつけて配植する方法です。 私たちは生物多様性の回復を目指しているため,自然の立地,地形を重視した配植をすると,天然林に近いランダム集中分布となります。
植栽後の手入れ
シカの食害を回避するために「ゾーンディフェンス」,「パッチディフェンス」,「マンディフェンス」,「マジノディフェンス」と呼ばれる4つの手法を用いています。 下草や先駆性樹種,ツル植物の除伐を行い,生長を促します。林相改善事業について
林相改善とは,森林の多面的機能(生物多様性の保全,土砂災害の防止,水源のかん養,保健休養の場など)を高めるため,森を形づくる樹木の構成を伐採や植栽によって改良することです。 京都伝統文化の森推進協議会(以下,協議会)では,京都市東山区の高台寺山国有林において,京都に根付いた自然と共生する本来の日本の伝統文化を全国にそして世界に発信するべく,平成19年度から市民の皆さまの協力を得て林相改善事業を行っています。 林相改善の実施にあたっては,協議会の森林整備・景観対策専門委員会において検討を行いながら進め,実施後はモニタリング調査によってその効果を検証しています。目的と概要
単調な森林構造のシイ林を景観的に美しく山崩れなどにも強い森林へ
高木から低木までが混在し,さまざまな林齢や樹種の木で構成される多様なシイ林を目指して,増えすぎたシイを抜き切りし,そこにヤマザクラやオオモミジなどの苗木を立地条件に応じて植栽しています。これにより,単調な森林構造のシイ林を景観的に美しく,山崩れなどにも強い森林へと変えていきます。 また,広範囲に根系を展開するシイ大径木については,伐採で一気に根系が枯死して斜面が崩壊しないよう,場所によっては大枝を剪定し,林内に光が入るようにするなどの配慮をしています。ヒノキ林における枯死木等を除去
ヒノキ生育適地において放置状態にあったヒノキ林については,枯死・劣勢木等を除去することにより,健全なヒノキの生長を促します。 また,林内に紅葉の美しいイロハモミジやウリカエデなどの亜高木性・低木性の落葉広葉樹を植栽し,天然ヒノキ林のようにヒノキと落葉広葉樹が混交する林分を目指します。施業箇所
協議会と林野庁近畿中国森林管理局との間で締結されている国有林整備事業「伝統文化の森」指定区域に基づき,東山・高台寺国有林内を7つの地区に区分し,さらに施業を行った箇所に施業区名をつけて整理をしています。 これまでの施業箇所は下図の通りです。
図をクリックするとPDFが開きます。図中の番号は施業区名。
施業内容
施業区ごとの主な施業内容は以下になります。さらに詳細な施業内容については,こちら(PDF版)をご覧ください。 施業のうち亜高木・低木層の除伐等の一部については,協議会協力団体等のボランティアの皆様と一緒に行っています。 ※除伐活動等に興味がある方は協議会までお問い合わせください。
図をクリックするとPDFが開きます。
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