京都伝統文化の森プロジェクト

私たちの取り組み目指す森林像

目指す森林像

私たちが目指す森林はみなさんを魅了します

私たちが目指す森林はみなさんを魅了します!

森を形作る樹木は苗木から成木に成長する迄に数十年の歳月を要します。その寿命は人間より遥かに長く,環境が整えば100年以上も生き続けます。私たちは,50年先,100年先の森林の姿を見据えながら,数十年後には多様な生き物たちが暮らし,四季折々の景観で皆さんを魅了する健全な森が再生している状態を目指して,地道な森づくり活動を展開しています。

自然の理に寄り添った適地適木で健全な樹木を

起伏に富む森の環境は一様ではありません。森の中でも場所によって陽あたりも風通しも土質も異なります。そして,樹木が好む環境は種ごとに異なります。
植物は,居心地が悪いからといって自由に移動できません。そのため,苗木を植える人間の責任は重大です。それぞれの種に適した場所を見極めることが大切です。

京都らしい健全な森を育む為,この地の遺伝的特性を維持する事が重要です。成木に育った後の樹形をイメージし,勾配や土質などの環境特性にも配慮し,緩急を付けて「京都に育つ樹木の種から育てた苗木」を植えています。

景観として美しく,多様な生き物を育む植生に

春には森を彩る花木,秋には鮮やかに色付く広葉樹,雪に映える針葉樹,鳥たちの好む実を付ける樹木など,様々な樹種を組み合わせることで,四季折々に表情を変える魅力的な景観が育まれます。
そして,そのように形作られた多様な植生の森は,多様な昆虫や鳥,小動物たちの棲み処となります。様々な環境が混在すること,そして生きものたちの餌となる木の実や草花などが育つことで,生物多様性の高い森を維持することができます。
本来の森としての機能を守りながら京都の町に相応しい景観を再生します。

土砂災害を防ぐ,人間と共生する森に

樹木は地中に深く根をはることで土壌をしっかりと押さえこみ,雨による土壌流出や斜面の崩壊を防いでいます。樹木が健全に根を張れる環境をつくることが,「災害に強い森」づくりの第一歩です。 一度土砂災害が起きると,市民生活に大きな被害が生じるだけでなく,森を元の状態に戻す為にも多大な労力とコストがかかります。いつ激しい風雨に襲われるかわからない時代に,このような森づくりは喫緊の課題といえます。