清水寺から高台寺(10月)

□ 設立趣意書

京都は平安遷都の詔にも“山川も麗しく”と賛美された勝地で,三方を山々に囲まれ,東西にそれぞれ鴨川と桂川が流れる山河襟帯の美しい千年都市です。悠久の時を経て自然や風土と調和した盆地景は山紫水明の美しい京都の景観を支える基盤であり,日本人のこころのふるさとでもあります。


また,平安京は四神相応の最高の地相を有する都で,郊野と呼ばれる四方の地には,東西南北それぞれに青龍・白虎・朱雀・玄武という神々が配され,都の護りを固めていました。


郊野は都を囲む山河の間にある清浄な地であり,多くの神社や寺院,離宮や山荘が営まれ,神事や仏事,狩猟や遊宴など様々な行事が催される中,種々の宗教文化や茶道,華道なども育ち,自然と調和した有形無形の日本文化が定着していったのです。


特に,東山には広範囲に名所旧跡が集中しており,森の中にとけ込んだ名社・古刹や山裾そのまちのたたずまいは日本人の心を象徴する重要な文化的景観と言えるでしょう。


しかしながら近年の物質文明の発達と共に,人と森とのつながりは希薄になり,「自然界の一生命として,他の生命と共に,自然の働きに順応同化して生きる」ことに立脚した日本固有の文化も忘れ去られ,それと共に郊野の森も徐々にその様相を変え,景観・環境等に様々な問題も発生してきています。


この度,私たちは,近畿中国森林管理局と京都市の協力を得て,青龍に護られた歴史ある東山の国有林を舞台に,森づくりを通じて,ここ京都に根付いた自然と共生する本来の日本の伝統文化を復活し,全国にそして世界に発信していきたいと考えています。


ここに,京都に根付く貴重な歴史的・文化資産を継承し,自然力・文化力・人間力を再創造して,日本文化を再生する森づくりを進めるため「京都伝統文化の森推進協議会」を設立します。


平成19年11月27日
京都伝統文化の森推進協議会
設立発起人代表 宗教学者 山折 哲雄